長崎市民の足、路面電車。長崎電気軌道株式会社が運営する赤迫・正覚寺下・蛍茶屋・石橋を結ぶ電車です。
あっしもヘビーユーザーでして乗らない日はほとんどありません。どこまで乗っても大人120円と素晴らしいコストパフォーマンスです。
長崎市にきて路面電車をよく使うようになって1年くらいですがいくつかの暗黙の「ルール」があるように思えました。
そしてそれは明確に決まっているものではなく、いくつかの条件を満たし、初めて成立するのだなと思ったのでした。
「後方扉より乗車し、前方扉より下車」
運転手さんだけのワンマンで走行する電車の基本といえる体制ですね。島原鉄道も1両編成はこうなのかな。電車には車両の後ろにも前にも扉があって、車両後ろ側の扉から乗り、スマートカードの方はカードリーダーにタッチし降りる時に今度は前方扉付近の精算機のリーダーにスマートカードをタッチするか120円現金を投入する仕組みだ。
イレギュラーな瞬間を見た
路面電車を使いだして1ヶ月あまりのある日、赤迫に向かうため、乗車率高めの電車に乗っていまして「そろそろ前の方にいっとかんば降りれんくなるなあ」と考えていた所、松山あたりで後方の扉から勢いよく降車する客
キセル(無賃乗車)か!?この野郎!!!
と、思ったらその客、前方扉にかけより車外から体を乗り出しスマートカードで精算機にタッチ
「ありがとうございました」と運転手さん。
これアリなのか
俺が今まで片手で空気を切りながら「すんませんすんません」やっていたのはなんだったのか。切らなくてよかった空気だったんじゃないか。
たまたまだったのかもしれない。
しかしその後もこんな場面はたびたび見受けられた。
よく考えるとあの乗車率で「後方扉より乗車し、前方扉より下車」を行う事にそもそも無理があるのかもしれない。そうなると俺の「すんませんすんません」のほうがよっぽど迷惑だったのかもしれない。
またある日、思案橋で電車待ちをしていた所。赤迫行きが到着。
前方扉オープン・前方扉より客乗車
よくみると精算機のリーダーとは別に乗車用リーダーも備わっていた。これはどうやら公式で認められているみたいだ。
経験浅くてすいません…こんなことにいちいち驚いていたのでした。
そして事件は大橋駅で起こる
路面電車の経験値をあげた私はもういちいち慌てないのである。ぎゅうぎゅうの車内で前扉の近くにポジショニングを取っていれば、降りる客の為にいったん下車しまた乗るというワザも覚えた。
痴漢冤罪で両手バンザイする前にハナから両手バンザイしとくワザも覚えた。なんならその体制で余裕があればツイートするレベルまで体幹レベルもあげた。TARZANをBOOKOFFで立ち読みした確かなソースで俺のスキルはあがっていた。
全てをわかった気でいた。しかし考えは一気に覆されるのである。
ある日乗車率90%の車内。普通でいえば「すんませんすんません」が必要なパターンだ。大橋駅到着。ほどなくして2人の若者が後方扉より下車。
「あっ、この子達あのパターンか」
俺は思った。でもその行為は運転手さんの一声でひっくりかえされるのである。
「前から降りてくれませんかねええええええええぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
オンマイクの怒号だった。車内はびっくりしたお客さんがざわついていた。俺の路面電車概念がガラガラと崩れた瞬間だった。俺は目的地の駅で「すいませんすいません」しながら降りた。
「後方扉より乗車し、前方扉より下車」
間違いないルールだ。これを常に守ってる方にとってはこの記事なんて「なにいってんすか猫さん」なんだけど。今迄見て来た「後方下車からの清算」は全てだめなのか。
それはきっと一概には言えなくて「臨機応変」という言葉でくくれば済んでしまうのかもしれないけど今回の一件はすごく判定が難しい気がした。
路面電車歴が短い俺だけが知らない事なのかこれ?
「降りる方の為に通路をお譲りください」
毎回のように聞くアナウンスだが子供すら動けないレベルで混む事もある路面電車。「後方下車からの清算」は全てだめなのか。判定基準を教えてくれよ偉い人。
ローカルルールはほんとに難しい。ちゃんと守ればいいんだが、それ故にズルができるグレーゾーンが生まれるもまた事実。
最後の一枚を出した時に「はいおまえUNOって言ってない」て言われない為に。私たちは自分で守らなきゃいけないんだ。安全な基準を。
そんなこと思いながらまた私は電車にのる。
\発車します…ゲージオーラィ/