ゆっくりするなら家でもできるし近場のカフェに飛び込むのもいいっすね。
町を行けばカフェなんて無数にありますけね。便利な世の中っす。
それでもふと足を向けたくなる特別なお店というものがあります。
”わざわざ行きたい”
そんな言葉が似合う喫茶店。それが『珈琲 冨士男』です。
1946年創業。今年で74年目を迎えるこの純喫茶は昔ながらの趣きをそのままに人々を昭和初期に飛ばしてくれます。
今回そんな冨士男に長崎民はもとより全国のファンから愛されて続けているサンドイッチを食べにいきました。
冨士男へのアクセスマップ
冨士男は町のどまんなか!アクセスめっちゃいいっす!
電停下車後は鍛冶屋町方面(思案橋とは逆方向)の鍛冶市通りをまっすぐ進んで行こう!
鍛冶市通りの終点。前方にはスクランブル交差点、左手に立体駐車場があるところがみえてきます。その近くに冨士男はお店を構えております。
店構えからしてただもんじゃない”味”があります。
”レトロ”という言葉じゃまだぬるい!本気でトリップできる店内。
ドア開口直後に鼻をかすめるコーヒーのとってもいい香り!
続けて目に飛び込む贅沢な昭和の空間。タバコや照明の熱でヤケた天井や壁の自然なダメージは歴史を感じます。
わたしが行った時はおっさんが足組んで新聞広げてるというベッタベタな光景を拝めて『(最高かよ…)』て思いました。完全にあの頃。
まじで体験して欲しいですよ。30代のわたしでこんなにヒートアップするんだから40代以上とかノスタル死にするんじゃないですかね…五感で味わって欲しい空間です。
どう考えても店にとっては迷惑なんやけど修学旅行のコースに組み込んで欲しい。
さらに評価されるべき長崎の店ですよ。
大人の修学旅行を考えてるあなた…わかるな?冨士男な?
『1人なんすけど』と人差し指をたてると4名テーブル席に通してくれました。
ゆったりとしていいですね。でも満席にならないかちょっとヒヤヒヤしてました。人気店なんでね。申し訳なくなるんすよ。
サンドイッチを待つ間にわたしもおっさんの真似して新聞紙広げてみる。やりたかったんすよコレ〜〜
雑誌もおいてあってね、1人で手ぶらできても手持ち無沙汰はないっす。
使い込まれたチェアは見た目よりも硬めっす。こういう椅子も少なくなってきました。
フカフカ椅子至高主義の現代ですけど『良さ』というのはそれだけじゃない。
『70余年、いろんな人のいろんな会話を聞いてきたんだろうなこの椅子』
想いを馳せながら、自分も冨士男という空間に溶けていきます。
椅子に座りあらためてお店を見渡す。全体にいえるんですけど家具がすごいメンテされてるんすよね。
これだけ長い歴史あれば大切に使っても経年劣化はでるんですけどあんま感じなかったです。シンプルにすげぇなって。
常連さんになったら『ども…』なんつってハニかんで座りたいもんです。
店員さんのテキパキした対応も印象的でしたね。
気品あふれた対応をされるスタッフさん。紳士・淑女って言葉がとっても似合う。
かといってかしこまり過ぎる空気感はないんすよ。いたってライトなんす。従業員さん同士も会話するしね。
ただ会計とわかるとお客さんより先にすぐにレジに飛んでいく。ここは老舗のこだわりなんでしょうか。気合はいってんなぁって思いました。
カウンターには保冷庫が。
フレッシュフルーツにケーキ、そしてフルーツサンドに使うであろうクリームがたっぷりありましたよ〜
冨士男のメニュー!テイクアウトもやってますぞ!!
今回はもちろんイートイン!
フルーツサンドイッチとコーヒーのセットにしてみました。
単品よりお得なんすよ。少食の人にはプチサイズもあるぞ!
Set menu
- サンドイッチセット 860円
- フルーツサンドセット 950円
- プチサンドイッチセット 670円
- プチフルーツサンドセット 730円
- コーヒーセット 780円
- ケーキセット 670円
- モーニング(〜11:00) 550円
セットドリンクは珈琲じゃなくて紅茶やミルクに変更可能ですがうまいんでぜひ珈琲飲んで欲しい。
オリジナルの珈琲豆も100gから販売しているぞ!
店内の他のドリンクメニューは下記を参照くだされ。
純喫茶なのでアルコールメニューはないんですがその分ドリンクの種類が豊富ですよ!
Coffee
- レギュラー 430円
- カフェオーレ珈琲 500円
- フレンチ珈琲 550円
- スピリット珈琲 550円
- エッグ珈琲 550円
- エンゼルドリーム珈琲 550円
- カフェカプチーノ珈琲 550円
- ウインナー珈琲 550円
- アイリッシュ珈琲 550円
ice menu
- アイス珈琲 430円
- アイスクリーム 400円
- アイスウインナー珈琲 550円
- アイスカフェオーレ 500円
- バナナジュース 550円
- ミックスジュース 550円
- トマトジュース 550円
- レモンスカッシュ 550円
- オレンジジュース 550円
- クリームソーダ 550円
- 珈琲フロート 600円
- オレンジフロート 550円
- ミルクセーキ 650円
tea
- ロイヤルミルクティ 550円
- ウインナーティ 550円
- ロシアンジャムティ 450円
- シナモンティ 550円
- ミルクティ 430円
- レモンティ 430円
- ブランディーティ 550円
- ウイスキーティ 550円
other
- ココア 550円
- ホットレモン 550円
熱狂的ファン多数の珈琲がうまい…
『300!!(おそらくグラムのことだろうね)挽いてくれんね!』
カランコロンと勢いよくやってきたおっちゃんがニコニコしながら言った一言。すげぇ印象に残ってる。
先述の通り冨士男は豆の販売もやってるんす。冨士男=サンドイッチのイメージが先行しがちですけどコーヒーももちろんうまいんすよ。そんなコーヒーに魅了された人が続々と来店します。
アンティーク感溢れるカップもまた店の空気感にあってて良いっすねぇ。
香りを楽しみ一口ズイッと飲んだ瞬間肩の力が抜け自然にお尻の位置が前にスライドしました。『ふぃ〜〜〜』ってなる
来店して椅子に座った時点でリラックスしてるんですけどあと一段ギアがガクンと落ちる瞬間です。これを味わいたかったんすよ…
このコーヒー香ばしく飲みやすいんすよ。変なクセもなくてすっきりしとんす。ほんと落ち着く。飲む整体っすね。体も心もほどけていく。
ミルク入れや砂糖入れもご覧の通り。あの頃が続きます。
『ここはこうであって欲しい!』を全く裏切らずにでてくるんす。最高です。
1秒たりとも令和を感じさせない圧倒的なグルーヴがそこにありました。
フルーツサンドは1口食べると笑顔になる冨士男のキラーメニュー
サーブされた瞬間『これさこれさ…』て超小声がでるほどには完璧な図が広がっていました。
はじめて対面するのにずっと昔から知ってる光景。
小学生の小遣いでは食べれなかったサ店のケーキ。500円握り締めてドキドキで初入店してアイスコーヒーしか頼めなくて悔しかったあの日。
あの頃、喉から手がでても届かなかったあの味をフルサイズで食べれる贅沢がわかりますか?
通称フルサン。パインに苺にオレンジにキウイに…色とりどりのフルーツがクリームの海を泳ぎます。これを『萌え断』といわずなんと言おう。
これにコーヒーがもうバチクソに合うんです。じっっくり味わうつもりで来たのに気づけばすごいスピードで食ってました。
手でつまみやすいサイズってのがそうさせる一因ですよね。クリームも柔らかすぎず食べやすい。
クリームが比較的甘めなんでフルーツの酸味がひきたちます。これはずっと食えるよ…
他のサンドイッチよりちょい高いんすけどみなさんも一度は食べて欲しい!
季節によって中身のフルーツも変わるみたいですね。
たしかに夏場は苺厳しいかもなぁ…とか思って調べたらスイカがはいったりするみたい。なんそれ食いたい。
2020年4月1日から店内禁煙に
唯一変化があったのが店舗内の禁煙化。
これには正直びっくりしました。純喫茶でさえ…
わたしはタバコ吸わないんすけどやっぱ昔の光景を知ってると…個人的に純喫茶の重要なファクターのひとつだと思ってたんで…
でもさすがにこればっかりはどうしようもないでしょう。
ご主人に伺うと申し訳なさそうにされていました。今思えばこちらが申し訳ないこと聞きました。すいません…
でもプラスに考えれば今までタバコを気にされていた層も気軽に冨士男の雰囲気を味わえるようになったということですよね!
そう思うとちょっと嬉しくなります。
もっといろんな人に味わって欲しい!評価されて欲しい!!
エッグサンドとハムサンドをテイクアウト!
自粛期間中にはテイクアウトも利用しました。ベランダで風をうけながら食べるサンドイッチはうんまかったですねぇ。
とくにエッグサンドよ。
実はフルーツサンド以上に人気のある冨士男の看板メニューなんすよ。
特別な材料は使用してないとのことなんですが食べた人みんなが
『なぜこんなにうまいんだ…!?』
と首を傾げるメニューです。
ふんわり柔らかな食パンにほんのり辛子が効いたタマゴ。
このずばぬけてシンプルで最高の組み合わせはあの小山薫堂さんも著書『ふくあじ』で絶賛されています。
正直できたてのちょっとホカホカした状態のほうがさらにうまいっす。
でもテイクアウトでも『幸せの黄色いサンドイッチ』は健在でした。
ウキウキで普段よりちょっといいコーヒーを用意したくなる…そんな昼下がりの午後…テイクアウトもいいもんすよ!!
でもやっぱり!!店舗で!!食うて欲しい!!
あの空気を!あの空気感を!!
許されるなら1日まったり過ごしたい…そんな気持ちにさせられる
気づけばスマホの電源を切っていた。
個人的な感想ですけど『ふるきよき』って言葉で片付けて欲しくない名店です。ほんとにトリップできます。
もちろんコーヒーもサンドイッチもアツいんですけどこの空間に身を委ねることが冨士男の良さです。どれだけ贅沢か行けば痛感しますよ。
長崎市が誇る至高の空間。
ゆっくり時間をかけてのんびり来店。昭和初期を感じながらトリップブレイク。そんな休日がこれほどまでに心をほぐす。
肩バッキバキで日々頑張ってるみなさんにはぜひここでほぐされて欲しいっすね。下手なぬり薬よりよっぽど効きます。
贅沢な時間をありがとうございました!また来ますけん!!
ごちそうさまでした!!!!
珈琲 冨士男
住所:長崎県長崎市鍛冶屋町2−12
TEL:095-822-1625
営業時間:9:00-17:00
定休日:木曜日