うまい蕎麦が食べたくて。
落語をみるたびに噺家さんが蕎麦を音たてて食べる造作をするやないすか?
アレみる度に『あぁ、おれもズルズルいわせて蕎麦食いてぇ』って思うし
時代劇なんかで江戸っ子が蕎麦を『すする』じゃなくて『たぐる』って表現をするたんびに
『粋だねぇ!俺も食って言いてぇ!』って思う。
ただ、そんな『日本食の粋』とはなんぞや。『江戸しぐさ』とはなんぞや。を難しく考えすぎた結果
頭が重くなって好きだった蕎麦から遠ざかっていました。
しかし最近
『蕎麦は噛んだらだめさ。”喉ごし”ば味あわんばさ』
って言ってる人が結局噛んでるのみた瞬間、『普通に食お』って思ったのでした。
よし、じゃあうめぇ蕎麦を食いに行こうってことで今回は鍛冶屋町の『桃山』に行って来ましたぞ。
一時閉店してたんですけど2019年10月に復活オープン!!数十年に渡ってのファンも多い人気店です。
桃山へのアクセスマップ
桃山は鍛冶屋町のど真ん中にあります。ただ目立った看板とかはないので見過ごしがちです。
上の写真の路地の矢印の位置を目指してください。専用の駐車場はないので車やバイクで来店の人はコインパーキングを利用することになります。
路地を歩いていくとまわりの洋風の建物群から一変!純和風な造りのお店があらわれます。
年季の入った暖簾と高級感あるエントランスにびびりますねぇ…
こちらが今回ご紹介する『桃山』です。Google MAPも置いておきますね。路面電車なら思案橋電停下車が最速ですぞ。
店内はテーブル2台にカウンター6席の構成
桃山は外観が高級感あるし店内どんな空気感だろ〜って心配してたんすけど
1人でもめちゃめちゃ落ち着く空間だった。
先入観ダメっすね。むしろなぜ今までここ使ってこなかった!?
わたしの他にもお一人様は男女問わず多く、カウンターはあっという間に埋まっていきました。
テーブル席も4名がけ×2台の構成で。親子2代でこられてる人もいました。愛されてますなぁ。長年に渡ってファンって人も多いってこういうことか…!!
客層は高めですね。40代以上がメインです。でも20〜30代も全然余裕で使える感じですぞ。
とにかく1人でも居心地がええんすよ。少なくともわたしは『ええやんここ…』って思いました。初見でこう思えるとこはだいたい当たりなんすよね
そして浜町ランチはジャンルがカフェや洋食に偏りがちですけん、蕎麦のカードは貴重なんです。
店内は非常に綺麗で清潔。造りもシンプルで高級感あるのでお客さんをもてなすのにもいいですね。
母の日や父の日にも使えそうやな…って直感が働きました。おかんの『なん食べたい?』に対するアンサー、蕎麦率めっちゃ高いけんな…
また窓からは手入れのされた庭がおがめます。清涼感ある空間に一役かっていますね。
桃山のメニュー
メニュー表をみて『想像以上にリーズナブルなんや!』てまず驚いたっすね。
すべてはお店の外観にびびっていた代償です。ざるそばは650円から!これなら平日でも普通に使えそうっす!
基本的にメニューは蕎麦と丼モノの2段構成。色物を抑えた少数精鋭で老舗の気概を感じます。
- ざるそば
- とろろそば
- 鴨せいろ
- 天ざる
- かけそば
- とり皮そば
- 山かけそば
- 海老天そば
- 鴨南蛮そば
- 天ぷらそば
※大盛りは+200円
- 玉子丼
- たぬき丼
- 親子丼
- 木の葉丼
- 天丼
- 小丼
※吸い物・漬物つき
ちなみにこの日他のお客さんの発するオーダーは『大ざる』が一番多かった。
『大ざる』って言い回しが妙に心地よかったっす。みんな通い慣れてるんだろうなぁ。
鴨せいろ(1,100円)喉ごしの良さに甘めのつゆが絡む一品
艶やかでしなやかな麺はすげぇ喉ごしがいいですね。美しい『正角』の断面に丁寧な仕事を感じます。
北海道産のそば粉を使い毎朝手打ちするこだわりの麺はどんなコンディションの時でも美味しくいただけると確信しました。
食ったらわかる。普段定食おかわりせん人でも可能ならこれは大盛りにした方がいいです!
ほんとペロペロっていってしまう。あっというまよ。
つけ汁は鴨の良さとダシが非常に効いていてうまいっす。
1口飲んだ瞬間に蕎麦湯がめちゃくちゃ楽しみになりました。
カツオやサバ、イワシといった魚介が織りなすダシは非常にコク深いっすねぇ。麺によくあうんすよ。
特徴的な甘めの仕上がりのつゆ。このつゆに魅せられて多くの人が桃山を訪れます。
これに焼きネギの風味と鴨特有の力強さ。あたたかい鴨南蛮そばと肩を並べて人気メニューなんす。
薬味も3種ついてきます。お好みで調整できるぞ!
これは頼んだ方がいいぜ…親子丼が空気を変えた
いやね、他のお客さんで着座0.5秒で『親子丼小盛りで!あと大ざる!』っつった人がいたんすよ。
1mmも迷いがないオーダーに『(なんすかこの人…かっけぇ…)』なんて思ってたら他のお客さんもどんどん頼むじゃないですか親子丼!
そら頼まんばっしょ…
そんなノリで親子丼の小盛りをオーダーしたんです。普通盛りより200円安いしね。
鴨せいろを食べだした頃にサーブされました。
大きめの茶碗にモリっと。漬物もついてきます。
これはうまい…フルサイズで頼まなかったことを後悔
色んな店で食べて来たわたしの中には
『うまい蕎麦だすとこは丼モノもやたらうまい』
っていう確固たるジンクスがあるんで
『うふふ。ここのもうまいんだろうな。うふふ。』
くらいにしか思ってなかったけど完全に読み違えました。久しぶりに想像超えて来た。めっちゃうまい。
普通盛りにせんやったことをめっちゃ後悔しました。これなら腹一杯でも食いたい。
鴨せいろでも感じたけどダシ・割下が非常にうまいんすよ。そこに絶妙な加減の玉子と鶏もも肉。
このトライアングルな。とにかくコメをかきこませます。
割り下はつゆだくってほどじゃないけど多めで提供されるんで、かきこむスピードも加速します。
小丼にもかかわらず鶏肉たっぷりゴロゴロも嬉しいところ!そらコメ足らんなるわ!
これはおもわぬ感動でした。ぜったい次はフルサイズやで…食べ終わった瞬間ちょっと悲しかったもん。
蕎麦湯でまったり。やっぱ蕎麦はこいがよかよね。
あったかいお蕎麦も大好きだけどやっぱ濃いめの蕎麦湯で〆たくてね。そんなんであっしはざるを頼みがち。
蕎麦湯で割ることによって醤油に隠れ気味だったカツオやサバの魚介ダシの輪郭が浮き上がって『おお…』ってなる。ほっとする味で大満足です。
完飲してぽっかぽかでお店をあとに。最後まで出汁のうまさに唸りつづけた1日でしたわ。
浜ん町の1人メシでこれから使い倒します。よろしくお願いします!!
この他にサービスメニューで『かやくご飯+かけそば』のセットで850円ていうお値打ちな商品もあった。かやくご飯は生姜が効いていて美味いと好評みたいでこちらも気になる…
居心地もいいし回転も早いので”お一人様&はじめまして”でも気軽に寄れると思います。ええぞここ。
2代目であるご主人も物腰が非常に柔らかくて気持ちいい接客されますし女性のかたも忙しい中笑顔でお茶や蕎麦湯にすぐ対応されていました。
浜町ランチの引き出しが増えた瞬間でしたね。次は丼モノフルサイズやな!
うまい蕎麦に居心地のいい空間ありがとうございます!またきます!!
ごちそうさまでした!!!!
桃山
住所:長崎県長崎市鍛冶屋町1−2
営業時間:11:30-14:00頃迄
定休日:日曜日・他不定