この記事はブログでもレポでもなくチラ裏の日記レベルで見て欲しいんす。ちゃんとしたレポはきっと他の人が作っているはず。
そんなレポをみたい人はここで離脱してください。googleで再検索して欲しい。
いつもだったらスラスラ構成や文章が浮かんでくるのにここまでキーボードたたいてもまだタイトルが決まらんとです。
絶対ぐちゃぐちゃになるとおもいます。そしてめっちゃ長くなると思います。
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2月25日(土)10:50
私は開店待ちの行列の10番目あたりにつけた
とくとくうどんが閉店するって聞いたのは 2月19日。友人からのLINEでした。「うそやろ!」って返したけど、数秒後には「そうか…」ってなった。
幼稚園の年少さんの時からとくとくに行ってる友人からの情報だった。
うどんの量を選べて3玉まで無料。安くでお腹いっぱいになれるうどんを提供しつづけたとくとくうどん。長崎で30年以上走り続けたうどん屋さんだ。
私はつい数日前に「これが長崎のオススメうどんだ!」ってまとめ記事を投稿したばかり。そこにはとくとくうどんを入れていた。ここのジャワカレーうどんが好きだったからだ。
「わいなんにすっと?」
「ジャワのトリプル」
「はっ?たぬきじゃなかっや?」
「いやジャワはおいの思い出やけん」
「あーね」
行列に並んで待っているとそんな会話が聞こえた。とくとくうどんにはみんなのそれぞれの思い出の味がある。
家にメシあるのに高校の部活帰りにうどん食って帰ったとか、食べ盛りの甥ば連れていったとか、サークルで飲んだ後に気合いで3玉食ったとか、色々話を聞いた。何世代にも渡って愛されていたんだ。
最終日、12:00オープンのとくとくうどん、11時前からすでにあった行列はどんどん伸びていき目視だがざっと30mほどになっていた。
11:45 カレーの匂いが外に流れてきていた。
「ジャワばい」って声が聞こえた。
12:00 律儀なまでにオンタイムで扉がガラガラっと勢いよくひらく
「あいた!あいたよっ!おかあさん!あいたっ!」行列から声があがった。
私は初回に運良く滑り込めた。
そこにはいつもと変わらぬ「あの風景」があった。今日が最終日とは思えぬいつもの「あの風景」
有線ではミスチルが流れていた。お客さんは、もう手垢やら経年劣化やらなんやらで真っ黄色になった漫画を読んだり談笑したりそれぞれの時間を過ごしていた。いつもの「あの風景」だった。
ただ増員された5名のスタッフと、「36年間本当にお疲れ様でした。ありがとうございました」というメッセージカードと共にお花が飾られたカウンターがあった。
今日とくとくうどんは閉店する。
きつねトリプル、ジャワトリプル、ジャワダブル、たぬき天かすトリプル、様々な呪文が飛び交う。
「かきあげどこいった?」
「かきあげ(お客さんとこ)いったよ!」
「いや。いっとらんとよ!」
「ダブル?トリプルのあと2ついるねぇ!」
厨房はさながら戦場だった。おかあさん。がんばって。カウンターでずっとハラハラして祈りながら見てた。
しばし待って出てきたそれはまごう事なき「ジャワカレーうどんトリプル」だった。
野菜とドリンクついて3玉までサービス。そいで700円。
あの味だった。ちょうど1年前。あの日も2月だった。初めてここでジャワカレーうどんを食べたっけ。
やわめの麺にダシよりカレーが強いスープ。かわらずにそこにあった。
「すいません。ご飯いただけますか」
「はーい!2番にご飯ひとつー!」
ご飯がでてきた時に、一気に現実味がでてきた。
「これ食べたら終わり」
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昔このブログは本当に誰にも見向きもされず、更新する意味もないんじゃないかって、1人おもい悩んでいた時期があった。
そんな気持ちは記事の文章にもでてた。ブログ書いている人ならわかると思うんだけど文章に勢いがなくなるんだ。ご飯食べるのが大好きだけど少しづつ少しづつモチベーションは下がっていた。
とくとくうどんも最初はやわらかい麺って聞いていたので乗り気じゃなかったんです。(当時は讃岐一辺倒だった)
でも友達から勧められた店だし行ってみよう。それだけだった。
さみーなクソぉ!とかいいながら寒い2月の夜の住吉を歩いてたどり着いた。そこでこのジャワカレーうどんを食べたんです。
1人にも優しいカウンターに出来立てのカレーうどん。美味しいなぁ。フーフーしながらスープを飲んだ。
あったかかね。
ご飯食べるの楽しかね。いい店が住吉にあったとよ。
書こうかね。ブログば。伝えたい店がある。
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今でこそ多い時には1日に9000PV叩き出すまでになったこのブログ。当時よりだいぶまともな記事を書けるようになりました。
その背景には長崎の美味しいお店たちがあったからなんです。とくとくうどんもその一つ。
そのとくとくうどんが今日閉店する。
「ごちそうさまでした」
「840円ですねー」
「今日は何時までさすとですか」
「えーっとね、なくなるまで!」
「そがんですか!がんばってください!」
「はーい!また来て…じゃなかったふふ、ありがとうございました」
おかあさんは癖さねって小さく呟いて少し笑った。
「美味しかったです。お疲れ様でした。ありがとうございました。」
初めて来た時に言いそびれた言葉でした。当時はなにか気恥ずかしくて言えなかった。
やっと言えた。情けないな。最後の最後ぞ。
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昔、母の日に「しゃんなかなー、カレーば作るか」つってカレー作ったんですよ。
バーモンドカレーば箱の裏に書いてある通りに普通に作ったんですよ。でもお母さんに出す時「オリジナルカレーぞ」つってだしたね。やべぇ、当時の自分ぶん殴りてぇ。
私は残りの家事関係ばするけん先に食ってたんです。そしたら洗濯モンたたんどる時にお母さんがきて
「ほんなこつ美味しかった。あんたの作るとがいっちゃんうまか。ごちそうさまやった」って言ってきたんす。その後も具材のサイズがよかとか、どがんでもよかとこまで詳細に褒めてきて、なんかむず痒くて、よかけん風呂にいかんねっつった。
でも嬉しかったんです。本当はうまく作れるか不安で不安しょうがなかったんです。カレーを作るのは2回目でした。何回も何回も何回も何回もバーモンドカレーの箱の裏を読んだんです。
だから美味しかったって言われて嬉しかったんです。
じゃあ私はごちそうさまを言えてるか?美味しかったって言えているか?
空っぽになったお皿に向かって手を合わせて唱えて終わってないか。
私はね、ごちそうさまですらお母さんに対して直接言えてなかったんです。
親戚の家の料理の時とかは食材に対してはもちろん作った人に対しても言えてた。でも一番近くにいるお母さんには、なぁなぁになってたんです。
バイトの時もそう。難しいクレーマーなお客さんには懇切丁寧に接し、優しい常連さんには時間をとらない。でもこれって本来逆だった。
上司には気と時間を使い、同僚には時間も気も使わない。これも逆だ。でも綺麗事ぬきにしたら逆転させるのって難しい。
でも感謝を伝えるのはどんな時もできるはずだった。
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「美味しかったです」
数秒。なら伝えんばさね。本当に言えてよかった。
もしみなさんのまわりに常連になりすぎて「ごちそうさまー」で終わってる定食屋さんがあったら。
お世話になっているお店があるのなら。
当たり前になっている店があるのなら。
それが当たり前じゃ無くなる前に。
その料理が美味しかったのなら伝えてみてください。
ああああああ!!!!
長い間お疲れ様でした。とくとくうどん。
美味しかったです!ごちそうさまでした!!!!